シリコンウエハーと一言で言っても、さまざまな種類が存在します。たとえば、ウエハーの片面あるいは両面に鏡面研磨を施したのがポリッシュトウエハーです。高い平坦度や清浄度、適切なゲッタリングなどの優れた性質をもち、高い品質や精度にしっかりと応えてくれる製品として高い評価を集めています。
また、水素処理を施すことで高い内部ゲッタリング能力やウエハー表面のCOPを実現しているのが水素アニールウエハー
です。そのため、本シリコンウエハーの特徴としては優れた酸化膜特性を有するところにあります。
なお、近年ではそれら水素アニールウエハーの中には結晶技術の改善や水素処理の最適化、さらには加工技術の工場により従来以上の内部ゲッタリング能力や平坦性を有する上にLSTD密度の低減を実現した製品も発売されています。一般的なシリコンウエハーはもちろんのこと、水素アニールウエハーと比べても接合リーク性などの電気特性が大きく改善されているため、微細化対応のためのフラットネス性にも優れています。
高純度なシリコンが原材料のシリコンウエハーは、半導体を構成する部品素材となり、大口径化を行うことで製造コストを削減することが可能で、家電等の高性能化を期待することができます。
シリコンウエハーは単結晶インゴットが原型となりますが、製造方法については石英製のるつぼに多結晶シリコンを入れて加熱し、溶解するとワイヤーでつるした種結晶の棒を液面につけます。ゆっくりと引き上げると単結晶シリコンインゴットが完成しますが、完成した後はハムの塊を包丁で切ってスライスする要領で薄切りにし、円盤状に加工しなければなりません。薄切りにする際は1ミリ以下となるよう注意する必要がありますが、薄切りにした後は研磨やエッチング、洗浄を行い、表面を鏡面化します。直径については当初は0.75インチ程度でしたが、年々直径を大きくする大口径化が行われ、更に薄くなりました。半導体は、シリコンウエハー上に回路を書き込んで製造を行うため、直径が大きくなるとより多くの半導体を製造することが可能となります。製造できる半導体の数が多くなると製造コストも削減でき、半導体の価格も下がることになりますが、価格が下がることでより多くの家電や電子機器に設置することが可能となります。設置することで家電や電子機器の高性能化が更に進み、暮らしが豊かになることを期待することができます。未来は明るいといえるでしょう。
◎2023/8/7
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◎2022/10/11
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